バレリーナの脚線美
バレエレッスンの帰り道、娘が嬉しそうに言いました。
レッスン中、鏡に映る自分の脚を見てそう思ったのだそうです。
というのも、
実は娘は自分の脚の太さにちょっぴりコンプレックスを
持っていたんですよね。
別に彼女は決して太目ちゃんではないのですが、
どういうわけかおみ足だけはなかなかに立派でして、
バレエ用のタイツも、背の高さや体重とは関係なく
かなり前からいちはやく大人用サイズを着用していたほど。
娘のコンプレックスに対して私も意識的に
「あなたの足は丈夫で立派な良い足なのよ」
と、事あるごとにポジティブな言葉をかけるようにはしていました。
でも、同じクラスでレッスンを受けている他の女の子たちは
全体的にスリムで脚も細―い子が多く、
誰も何にも言わないけれど、レッスン中に鏡に映る姿を見ては
娘も否応なくその違いを認識させられていた模様。
さらに言うと、ちょうど1年前の今頃。
バレリーナの理想の脚というのを子供たちに説明したらしいのですが、
そのとき娘は先生に自分の脚について何事かを指摘されたとかで、
かなりショックを受けたようなんですね。
脚について指摘された、といっても
別に太いからダメだなどと言われたわけではないんですが。
ただ、当時娘が泣きながら私に説明してくれたところによると、
バレリーナの脚というのはひざ小僧が独立して見えるものだと
先生に言われたのだそう。
そういう脚になるようなレッスンをしなければならないのだと。
そういう脚、というのは、
ひざの周囲に余分な脂肪がなく、
ひざの関節の骨のあたりがゴツゴツして見える、
もっというとひざ小僧の上のところ、
つまりひざ上から太腿の筋肉につながるところに
くぼみができるような脚なんだそうです。
そのくぼみが、娘の脚には見られなかったと。
しかも娘にとって屈辱的だったのは、
他の細―い女の子たちのひざはそれなりにゴツゴツしていて、
ひざ上にもちゃんとくぼみがあったのだとか。
当時、言われて私もまじまじと娘の脚を見てみましたが、
ひざから腿にかけての滑らかな曲線を描いているこの部分は
確かに脂肪がついているのかも、という感じ。
あちゃー、とうとう誰かに指摘されちゃったか〜。
でもその先生は、
これからもレッスンを続けていけば
きっとバレリーナの脚になれるから頑張りましょうね、と
ちゃんとフォローしてくれていたらしく、
ひとしきり涙した後はこの件に触れることはありませんでした。
そしてあれから1年たった今、娘の冒頭の言葉です。
ただ、娘がいう「脚」とは、この場合ふくらはぎのことだそうで、
そこが自分でも前よりちょっと細くなった気がするらしいんです。
以前よりレッスン時間も増え、内容もさらに厳しくなったこの頃なので
さすがに引き締まってきたのでしょう。
それだけではなく、
私から見ても娘のひざの辺りが確かに変わってきたなーという印象。
例の特別講師の先生もこの秋から再び戻ってきて
娘のレッスンをみてくれるようになったのですが、
その先生からも「ちょっとだけバレリーナらしい脚になってきた」と
褒められたんだとか。(ちょっとだけ、が微妙ですが。)
「そっかー、先生にも褒められたし、細くなって良かったね〜。」
と、とりあえず喜んでみせる私。
でも、ちょっと待ってね。
立派な脚がコンプレックスになっている娘、
今は脚が細くなってきたと喜んでいるようですが、
本当のバレリーナの脚って、
実は太ももに相当の筋肉がついてますよね。
バレリーナってイメージ的にはスラリとした脚線美ですが、
DVDなどでよくよく見ると、
オリンピックの体操選手なみに発達した筋肉が
太ももの前面部に見られます。
そりゃそうですよね。
でないとあんな素晴らしいジャンプやターンなんて
出来る訳がない。
ということはですよ。
娘もこのままレッスンを続けていけば、
いったんは脂肪が落ちて細くなったようでも
代わりに筋肉がモリモリついちゃって
結局はやっぱり立派なおみ足ってことになるんじゃないかな?
そう思って、そーっと娘の太腿に目をやると・・・



